中小企業診断士の一次試験は7科目あります。7科目すべてに合格してはじめて、二次試験の受験資格が与えられます。
ただ、サラリーマンだし、残業あるし、子育てあるし、1日にできる勉強時間が限られていて、7科目なんて一発合格は無理!・・・という方も少なくないでしょう。
そんな方のために診断士の一次試験では科目合格制度があります。具体的なイメージは以下のとおり。

しかし、戦略も立てずに科目合格を狙うことはハイリスクなんです。
出鼻をくじくようですが、科目合格は狙わず一次試験は一発で合格することがベターです。
が、、日ごろから忙しくまとまった勉強時間を確保できない方など科目合格制度の利用を選ばざるをえない方もいるでしょう。
そんな方に気をつけていただきたいことは、科目合格の狙い方を間違えると、受験勉強期間が長期化する事態を招いてしまう恐れがある点。
誰でも短期で合格できるに越したことありません。
そのため、この記事では日常忙しい方のために「戦略的な科目合格のススメ」として、まず狙うべき科目など試験特性を踏まえてアドバイスします。
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目次
中小企業診断士の科目合格とは?【簡単に紹介】
冒頭でもご紹介しましたが、中小企業診断士の一次試験は7科目。
具体的に、
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理(オペレーション・マネジメント)
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
の7科目です。
科目合格制度を使うことで、3年以内に7科目すべてに合格できれば、二次試験の受験資格が与えられます。
1科目60点を獲得できれば、当該科目は合格となります。
以下、2つのケースで考えてみましょう。
科目 | ケース1 | ケース2 |
経済学・経済政策 | 40点 | 32点 |
財務・会計 | 60点 | 74点 |
企業経営理論 | 58点 | 58点 |
運営管理 | 64点 | 75点 |
経営法務 | 52点 | 52点 |
経営情報システム | 64点 | 72点 |
中小企業経営・政策 | 62点n | 57点 |
合計 | 400点 | 420点 |
ケース1の場合
ケース1の場合は、合計点が400点ですので一次試験は不合格です。
そのため、60点以上を獲得できた科目である、「財務・会計」、「運営管理」、「経営情報システム」、「中小企業経営・政策」の4科目が科目合格となります。
つまり、残りの2年間でその他3科目を科目合格できれば、一次試験に合格できることになります。
ケース2の場合
ケース2の場合、合計点が420点であり一次試験の合格点を獲得できています。
しかし、「経済学・経済政策」が足切りの40点を下回っているため、一次試験は不合格となり、科目合格が適用されます。
そのため、60点以上を獲得できた科目である、「財務・会計」、「運営管理」、「経営情報システム」の3科目が科目合格となります。

中小企業診断士の科目合格は狙い方を間違えるとなぜリスクが高いのか?【理由は3つ】
理由は3つあります。
- 科目によって勉強をゼロからやり直しになる場合がある
- 試験年度によって科目難易度の変動がある
- 60点以上を獲得できる科目とそうでない科目がある
それぞれ、具体的に説明していきます。
1.科目によって勉強をゼロからやり直しになる場合がある
診断士の科目で一番厄介なのが、「中小企業経営・中小企業政策」です。
その反面、しっかりと勉強を行えば得点源にできる科目の1つになります。
では何が厄介か。
それは出題分野です。中小企業白書や小規模企業白書から出題されます。それも、試験前年及び試験年度の白書からの出題です。
そのため、勉強を生半可にして科目不合格になってしまいますと、翌年の試験勉強がやり直しになってしまいます。
白書は毎年発行されますので、ゼロから新しい知識を習得する必要があるからです。
国の施策なんかも暗記する必要がありますが、制度改正はときどきある程度。
なので,そこまで意識する必要はないですが、白書の細かい数字を覚えたり、中小企業の現況を細かく理解するための勉強は結構大変なんです。

2.試験年度によって科目難易度の変動がある
この点も気をつけておきたいですね。
ただ、受験者ではどうしようもすることができないことですし、運要素もかなりあります。
特に、「経済学・経済政策」が難易度の変動が顕著で、足切りされる受験生が多い年は加点調整(4点無条件加算など)される場合もあります。
細かくは、中小企業診断士は難関資格は嘘?難易度・難関ランキングの真実は?に記載していますので、ご確認ください。
3. 60点以上を獲得できる科目とそうでない科目がある
中小企業診断士の一次試験では試験勉強の量が得点に直結する科目とそうでない科目にわかれます。
具体的には、「企業経営理論」はその代表格で、試験勉強の量が得点に直結することは稀です。
「企業経営理論」では60点のボーダーライン付近を獲得できれば御の字というスタンスでいる必要があります。
一方、その他の科目は試験勉強の量・質が得点に結びつく可能性は高いですが、先ほど説明した「科目難易度の変動」に得点が左右される場合があるので注意です。
また、得手不得手もありますが、比較的得点源としやすい科目は、「財務・会計」、「運営管理」、「経営情報システム」、「中小企業経営・政策」です。
そのため、記事冒頭でも説明したとおり、7科目でバランス良く得点し一発合格を目指した方がリスクは低めなんです。
例えば、6科目は合格していて、かなり勉強している「企業経営理論」がなかなか60点を獲得できなかったら、科目合格が振り出しに戻るリスクもありますね。
なので、科目合格を狙う方は狙う科目を見定め、戦略的に勉強をしていくべき。
中小企業診断士の科目合格で狙うべき科目はこれだ!!
では、科目合格を狙うべき科目とその順番を最後にご紹介しておきます。
科目合格しておけば1年後、2年後の試験が楽になる科目としては、
- 経済学・経済政策
- 企業経営理論
- 経営法務
の3つです。
また、合格する年度を狙って受験したい科目は、
- 中小企業経営・中小企業政策
の1つです。
つまり、得点源になりにくい科目や科目難易度変動が大きい科目が科目合格できれば、後々の試験が楽になります。
また、出題特性から試験勉強の無駄を排除する意味でも、「中小企業経営・政策」は受験年度を決め打ちし、しっかりと仕上げて試験に臨むべきです。
さらに、二次試験を意識すると、「財務・会計」は継続的に勉強したほうが吉です。
「財務・会計」は勉強を継続しないと知識忘却が非常に早いため、1年目に合格してその後一切勉強しない・・・ということは避けましょう。
そのため、「財務・会計」は2年目、3年目に合格を狙う感じでも良いかなと思います。
参考>>【勉強開始時期別】中小企業診断士の通信講座はこう使え!メリット・デメリットも解説

中小企業診断士の科目合格まとめ
繰り返しになりますが、
試験の勉強時間をある程度確保できる方であれば、一次試験7科目を受験して、合格点(60点)をとれない科目、合格点をとれている科目のバランスで、
総得点420点以上を狙うのがベスト。
しかし、時間のない方はこの記事で紹介した科目を意識して、科目合格を狙う受験年度を決めることをオススメします。
診断士の一次試験を勉強するうえでは、独学や通信講座、予備校など勉強スタイルの選択肢はいろいろあります。
自分にあった勉強法で試験合格を目指しましょう。
例えば、仕事や育児など日常が忙しく、科目合格を通じて3年間で一次試験合格を目指したい方であれば、診断士ゼミナールなどがマッチするかなと思います。
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「少しはお金をとればいいのに」と個人的には思うのですが、受講延長した場合も最新版のテキスト、問題集などを使えるので、
科目合格を目指す方はもちろん、勉強を継続するモチベにもなります。
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