以前の記事、「【まとめ】中小企業診断士になるためには費用はどのくらいかかる?」では、中小企業診断士になるためには「時間」と「費用(コスト)」がかかるとご説明しました。特に費用(コスト)について、分析・考察をしました。
そこで今回は、中小企業診断士に合格するための「時間」について主に取り上げ、分析・考察していきたいと思います。
- サラリーマンでも短期合格は目指せる?
- どのくらいの勉強時間が必要なの?
- 勉強をできるだけ効率化して短期合格を目指したい!!
こういった疑問や希望にこたえます。
中小企業診断士になるための、勉強方法・取得方法別に必要な時間をご説明しますので、受験の参考にしてください。
中小企業診断士には一次試験と二次試験があります。まずは「一次試験に合格すること」が大事ですので、一次試験の勉強時間について重点的にご説明します。

目次
中小企業診断士を独学で目指す場合の勉強時間は?
中小企業診断士の一次試験に合格するためには、一般的に1,000時間の勉強時間が必要と言われています。
1,000時間と言われてもパっと理解することは難しいので、毎日3時間コンスタントに勉強した場合を考えてみます。
毎日3時間勉強したとすると、1ヶ月で90時間になります。その場合、約11か月間の期間で1,000時間を達成できますので、1年で合格できる計算になります。
平日や休日にどのくらい勉強時間を確保できるかによって、受験スケジュールを組むと良いでしょう。
サラリーマンの場合で中小企業診断士の勉強時間を考察
では、サラリーマンが中小企業診断士を目指す場合の勉強時間と勉強スケジュールについて例示したいと思います。
しかし、一言でサラリーマンと言っても、「子どもがいる・いない」や「残業が多い・少ない」では1日に確保できる勉強時間は異なります。
そのため、ここでは以下のようなペルソナを設定したいと思います。
- 子ども2人(3歳・1歳)
- 残業は日平均2時間
- 就業時間:午前8時45分~午後5時30分
- 休憩時間:1時間
- デスクワーク中心
この場合、1日にどれだけ勉強時間を確保できるでしょうか?
小さなお子さんを抱えていると、夜の寝かしつけやら、家事やら、何かと忙しい毎日だと思います。落ち着くのは夜の10時過ぎなんて言うのも日常茶飯事ですよね。
そのため、平日の夜は最大でも勉強時間は2時間程度になります。休日も育児や家族サービスがあるので、まとまった勉強時間を確保するのは難しいですよね。
つまり、いかにスキマ時間を活用して勉強時間を確保するかが合格の鍵と言えるでしょう。
さらに、「短期合格を目指す」という目標を持ち、「1年間だけだから」と家族にお願いして、家族の理解を得ることも大切です。
子育てをしながら忙しく働くサラリーマンであっても、通勤時間や職場の休憩時間、仕事で外出したときのちょっとした空き時間など、スキマ時間を有効活用すれば1日に3時間は勉強時間を確保できます。
「中小企業診断士になるぞ」、「1年間だけ」という強い目標を持てば、きっと家族にも理解してもらえると思います。
1日になんとか3時間の勉強時間を確保できれば、1年で合格を果たすことができるので死に物狂いで頑張りましょう。
中小企業診断士を独学で目指す場合は勉強時間の「落とし穴」に注意!
しかし、独学で診断士を目指す方は注意が必要です。
勉強のカリキュラムを自分自身で作らないといけませんので、その分、余計に時間がかかる可能性があります。
また、テキストを自分自身で読みこみ、理解してアウトプットしていく必要があります。理解できなければググったりする時間が加算されますので、余計に時間がかかる可能性が否めません。
さらに、独学教材や参考書はTACのテキストや問題集が主流ですが、掲載されている知識量は総花的で非常に多いのが特徴です。「安心感」はありますが、理解や暗記をするのに時間がかかってしまいます。
そのため、独学は、学生時代から勉強管理・スケジュール管理が得意な方、つまり、勉強に慣れている方や多くの量をこなせる勉強時間を確保できる方に向いている方法と言えます。
現在では、教材やサービスも充実していて独学と同等の費用で受講できる通信講座もありますので、勉強に自信のない方は迷わず通信講座のカリキュラム通りに勉強することをオススメします。
中小企業診断士を大手予備校や通信講座で目指す場合の勉強時間はどのくらい?
では次に、大手予備校や通信講座を利用した場合の勉強時間について考察します。
いきなり結論ですが、大手予備校や通信講座だからと言って、合格のための勉強時間が極端に少なくなるということはないです。
しかし、独学で勉強するよりかは、予備校や通信講座は、
- 決まったカリキュラム
- 指定のテキストや問題集、過去問
- 通学・Web・DVDによる講義
・・・があるので、先ほども説明したとおり理解度が早まります。
カリキュラムがあれば、「次にどれを勉強して、明日はこの科目を勉強しよう」といった勉強スケジュールを立てやすくなります。
また、市販テキストもあまりなく、解答が発表されない二次試験については、考え方や解き方のコツを教えてもらえるので基盤ができます。
基盤があれば、そこから試行錯誤もできますので、勉強方法や勉強時間について効率化できると言えるでしょう。
中小企業診断士の一次試験は一発で合格することがベターですが、予備校や通信講座によっては3年までタダで延長できる制度などもあります。
中小企業診断士を養成課程で目指す場合の勉強時間はどのくらい?
では次に、養成課程を利用した場合の勉強時間についてご説明します。
ご承知のとおり、中小企業診断士の養成課程は二次試験を免除できます。しかし、一次試験については試験合格する必要があります。
そのため、一次試験の勉強時間については独学や予備校、通信講座と同様と言えるでしょう。
一方、二次試験については勉強というより、養成課程で実習をしながら学んでいきます。実習のある大学講義のようなイメージです。
各地で行われている養成課程により、費用やカリキュラム、研修期間が変わるのが特徴的です。入寮する形態や夜間形態など形態によって研修期間は様々ですが、半年~2年かかるのが一般的です。
中小企業診断士を2年で突破した私の場合の勉強時間を大公開!
次に、実際の合格者である私の勉強時間を公開したいと思います。
受験当時の年齢は28歳でした。29歳のときに二次試験に合格し、中小企業診断士を取得しました。
私の波乱万丈の人生は割愛しますが、一次試験の勉強を始めた時期は受験年の1月です。一次試験の受験日は8月の第一週目の土日が通例ですから、約7ヶ月の勉強期間で一発合格を果たしました。
1年目の二次試験は残念ながらダメで、2年目に合格することができました。
中小企業診断士一次試験の勉強時間
一次試験は職場に同じような境遇の後輩がいたので、「負けてたまるか」という思いで必死に勉強しました。
平日は3時間、休日は5時間を平均して勉強しました。多いときは平日5時間は勉強しました。
- 平日3時間×5日=15時間
- 休日5時間×2日=10時間
- 25時間/週×4週=100時間/月
- 100時間/月×7ヶ月=700時間
700時間ですが、あくまでも平均値で幅がありますので700時間~800時間の勉強で合格を果たしたことになります。
一次試験の勉強方法はいたってシンプル
通信講座の講義・テキストをもとに勉強して、基礎問題のインプット・アウトプットを、過去問を通じて繰り返し繰り返し行いました。
また直前期には、時間を測りつつ、本番形式で過去問を繰り返し解いたのみです。
中小企業診断士二次試験の勉強時間
1年目の二次試験は勉強方法を理解しないまま、過去問を繰り返し解いていました。
一次試験の合格発表日(9月)以後に取り組んだので、過去3年分の事例を1回転したのみです。
一方、2年目は平日2時間を平均して勉強していました。休日はやったりやらなかったりですが、直前期には図書館に入り浸り、7時間以上は勉強していました。
平日2時間で計算すると、350時間くらいの勉強で合格を果たしたことになります。
二次試験の勉強方法がわからず、苦戦するも・・・
二次試験は独学ですが、1年目は問題の解き方もわからず、とりあえず過去問をただ解いていただけです。
そのため、自分が解答した内容が合っているのか、合っていないのかもわからず、ただ解き続けていた印象です。
一方、2年目は予備校で学習していた現役中小企業診断士の方に解答のコツや必要な知識を教えてもらったり、ふぞろいシリーズを購入したりと、自身の解答を分析していました。
最初から予備校や通信講座を利用して解き方を教えてもらえれば良かったのですが、独学で勉強したので苦戦しました。
中小企業診断士の勉強時間まとめ
勉強時間と理解度・暗記度はイコールではありませんが、診断士に合格(一次試験・二次試験)するためには目安として1000時間から1,200時間の勉強時間が必要という点を理解しておきましょう。
1日にどのくらい勉強時間を確保できるかによって、合格にかかる期間は変わってきますので、自分にあった勉強スケジュールを組むことをオススメします。
