現役コンサルしています。
昨今では、中小企業診断士がなくなるの?という疑問を感じている方も多いですが、国家資格ですし、徐々に知名度をあげつつある資格なので、よっぽどなくなることはないでしょう。
経済産業省管轄ですし、診断士を活用した施策や制度もたくさんありますし。
ちなみに私のコンサルによる年収(売上)は1,800万円ほど。これ以外に副業的収入も少し。
タイトルにもあるように「診断士は食えるのか?食えないのか?」をしっかりとお伝えするために、いきなり個人の年収を暴露してしまいました(汗)
身軽さもありいまだに個人事業であるため、税金負担が重いのが最近の悩みです・・・。
ただ、利益率は良いほうなので、手取りはそこそこある感覚です。
では、本当に食えるのか、食えないのか、見ていきましょう。
目次
中小企業診断士は食えない?食いっぱぐれない資格?
結論は、「どちらでもない」が正しいのではないでしょうか。
冒頭でもお伝えした私の売上からもわかる通り、食えない資格ではないと思います。
また一方、「中小企業診断士」という資格があるだけで、「食いっぱぐれない」と断定することは安易すぎますね。
これはどの資格でも同じこと。
独占業務のある公認会計士や税理士、社労士・・・などにも共通して言えることです。
ではなぜ、世間一般に中小企業診断士は食えないと言われるのか?
理由は主に2つ。
- 独占業務がないから
- 中小企業診断士の神的存在が一部に限られているから
1.独占業務がないから
世間一般ではまだまだ、「独占業務があるから安心」という固定観念があります。
一方、中小企業診断士は独占業務がなく、名称独占のみなので簡単に言えば「中小企業診断士しか行えない業務」というのが法律上ないんですよね。
そのため、「資格で食べていくためには、コンサルという形のないサービスをメニュー化していく必要がある」のです。
※別に稼ぐためにはコンサルという分野に限らなくても良いのですが、本筋(診断士としての本業)からズレてしまうので、別記事で紹介することにします。
2.中小企業診断士の神的存在が一部に限られているから
世の中には診断士の資格がなくても、コンサルで稼いでいる方は少数ですがいます!
中小企業診断士の有資格者であっても、年収2,000万~3,000万は個人で稼いでいる方はいます。
このように、多くの稼ぎがあるコンサルは少数に限られているのが事実です。
正確に言いますと、「凄腕コンサルとしてブランド化できているコンサルが少数」・・・という感じですね。
なので、数多くいる診断士でも稼いでいる人がいるかもしれないですが、その事実が表に出てこないのが現実ですね。
中小企業診断士がコンサル(本業)で食っていくための方法
では、中小企業診断士として食いっぱぐれないために、
- 診断士としてどのように活動していけば良いのか。
- 診断士として稼ぐための秘訣
という観点で、現役のプロコンがご紹介していきます。
※独立診断士を想定しています。
独立まもない時期は人脈づくりと公的支援機関で食いつなげ
独立まもない時期は、売上はゼロです。
知人の経営者からの顧問契約などがない限り、実績もない診断士がいきなり顧問契約を大量にもらえるわけはありません。
そのため、まずは実務補習や養成課程で面識のある診断士とコンタクトをとったり、協会に入会したり、研究会に入ったりと自分のできる範囲で人脈を広げていきましょう。
診断士は人脈が大事と言われますが、その通りです。
診断士同士の横のつながりで、仕事そのものや、公的機関を紹介してもらえたりします。
このように、実績を着実に積み上げていくことが要諦です。
公的支援機関の仕事はどのくらい稼げるの?
日当の目安は以下ツイートのとおり。
中小機構5万
よろずチーフ5万
よろずコーデ2万
商工会議所2万〜3万
その他専門家派遣2万日当の目安にどうぞ!
都道府県によって多少違います。#中小企業診断士— コンサルKING@中小企業診断士 (@king_shindanshi) 2019年5月17日
例えば、よろず支援拠点に週3日、勤務したとしましょう。
日当2万円×3日×4週間=24万円
これだけでも月給24万を稼ぐことは可能です。
よろず支援拠点のコーディネーターは都道府県等中小企業支援センターで募集していたりするので、チェックしておきましょう。
また、チーフコーディネーターと面識を持つことで、そういった情報をもらいやすくなりますね。
ミラサポや地元商工会議所に専門家登録したり、経営セミナーや補助金セミナーで謝金をもらったりと、できることはどんどんやっていくことをオススメします。
ある程度の実績を積むと、中小機構のコーディネーターになれたりします。
15日間の勤務が強制させられたりしますが、日当5万×15日で月給75万を稼ぐこともできますね。
自分自身をブランド化するために専門分野を習得しよう
でも、公的支援機関で食いつなぐのには限度があります。
金額面でもそうですが、1年契約で更新しないと言われる場合とか、そもそもよろず支援拠点などは国の制度が変わればなくなる可能性だってあります。
そのため、顧問契約を結ぶことに加えて、「○○といえば○○診断士」というように自分自身をブランド化していく必要があります。
例えば、「WebといえばA診断士」とか「事業承継といえばB診断士」とか「人材育成といえばC診断士」とか、ですね。
ブランド化できれば、Webに関する課題解決に声がかかる場合もあれば、その専門分野を武器に顧問契約も結びやすくなります。
さらに、公的機関に対してもブランドアピールできますし、いいことばかりです。
「中小企業診断士としてのコンサルスキル+専門分野」であれば、食いっぱぐれることはないでしょう!
食いっぱぐれない(年収をあげる)ために、中小企業診断士が習得すべきおすすめの専門分野はあるの?
はい、あります。
これからの時代、おすすめの専門分野をあげるとするなら、
- プログラミング(Webマーケティング系もあり)
- 事業承継
- 人材(組織・人事労務)
の3つの分野ですね。
後継者なしで廃業が多く、中小企業のM&Aも活発化していますので事業承継は言わずもがなオススメでしょう。
また、働き方改革に代表されるように、これからの中小企業の人材はますます多様化していきます。
個人としても活躍できる時代に、中小企業は同業・異業種連携も視野に入れつつ、どのように組織化して、人事労務制度を設計していくかが重要です。
ただ、最もオススメなのはプログラミングですね。Webマーケティングでも良しです。
プログラミングスキルがあれば企業の仕組みづくりにも貢献できますし、またAIやIoTの時代ですし将来的にあって損なしのスキルですよね。
さらに、Webマーケティングのスキルもあれば、スマホ・ネット時代での中小企業のマーケティングを後押しすることができます。

プログラミングは誰でもできるの?
ただ、「プログラミング」と聞くと、
- 向いていないから・・・
- 難しそう・・・
- 文系出身だし・・・
とか少しネガティブなイメージを持たれる方が多いのも事実です。
しかし、私も文系出身者でプログラミングどころか、IT系にも弱く、また身近な例でいえばスマホの格安SIMとか意味不明な情報弱者で、
テレビの配線なんかもあまり得意ではない非IT人間です。
それでも、いろいろとプログラミング体験をしていくうちに「やってみよう」という気になり、学び始めたら案外いけました。
今では、中小企業診断士という資格を持ちながら、中小企業のWebコンサルもしていて、経営者と超親身に話したりするので楽しくて仕方ありません。
「Webによる集客ができた」など、そんな声を聴くことができるとかなり達成感はありますね。
プログラミングの講師に聞いたところ、プログラミングは理系の人でも学校で学ぶことはあまりないので、文系・理系はあまり関係ないそうですね。
現在では、国の施策で小規模事業者持続化補助金など販路開拓に使える補助金があります。
策定支援を毎年行っていますが、ホームページに関するニーズはかなり高めです。
中小企業ではまだまだWebに対する意識が低く、潜在ニーズ・顕在ニーズがあるので、これからもまだまだ成長分野ですね。
少し長くなりましたが、支援スキルとしてはプログラミングやWebマーケティングがイチオシです。
診断士の中ではWebに詳しい方はあまりいませんので、活躍できる機会も多いですよ。
ホームページ制作業者はWeb制作のプロではありますが、SEO(検索上位表示)が不得意であったり、中小企業の戦略を理解できなかったりする場合が多いです。
そのため、中小企業診断士の経営コンサルスキルとWebマーケティング、プログラミングスキルをミックスさせれば、かなり強いでしょう。
食いっぱぐれないこと間違いなしです。
プログラミングやWebマーケを学ぶ方法は?
学ぶ方法としてはオンラインのプログラミングスクールが一番手っ取り早いです。
仕事をしながら無理なく続けられるメリットがあります。
プログラミングは独学ですと、きっと挫折します(経験談)。
なので自己投資にはなりますが、将来のスキルと活躍のためにしっかりと学んでおくことをオススメします。
オンラインスクールでは、大手のTechAcademy [テックアカデミー]や現役エンジニアのオンライン家庭教師【CodeCamp】
が有名です。
私は無料体験を両方受講して、テックアカデミーの受講スタイルがマッチしていたので、テックアカデミーの「オンラインブートキャンプ フロントエンドコース」を受講しました。
ちなみに私の知人はコードキャンプでしたので、自分にマッチするスクールを選べば失敗はしないですね。
どちらも無料で体験できるので、試してみてあなたに合うスクールで受講しましょう。

【結論】中小企業診断士は食えるが、専門分野があった方が食える可能性が高まる
結論としては、中小企業診断士だけでも食っていくことはできます。
ただ、資格があるからと言って決して安住はできません。
独立後は、人脈をつくりつつ、公的支援で食いつなぎながら、自分自身をブランド化するための専門分野をつくりましょう。
繰り返しになりますが、特にオススメの専門分野は「プログラミング」や「Webマーケティング」です。