社会人から人気ナンバーワンの資格として、中小企業診断士が注目されています。
AIによる代替可能性が低い資格であるという背景も人気の理由の1つです。
しかし、中小企業診断士は合格率4%という難関国家資格です。そのため、中小企業診断士は生半可な気持ちで合格できるような国家試験ではありません。
つまり、中小企業診断士に合格するためには、「時間」と「費用(コスト)」がかかります。
そこで、この記事では、中小企業診断士になるための「費用」に着目して、取得方法・勉強方法別にかかる費用(コスト)について紹介したいと思います。
目次
中小企業診断士を独学で目指した場合の費用(コスト)はどのくらい?【一次試験】
まずは、中小企業診断士を独学で目指す場合の費用(コスト)を考察します。
国家資格はほとんどの受験生が予備校や通信講座を使います。しかし、難関国家資格の難易度Aに分類される国家資格では独学で目指す方も多いです。
中小企業診断士を独学で目指す場合は、最低でもテキスト・問題集・過去問の3種類を購入する必要があります。
市販されているテキスト・問題集・過去問のほとんどは、TACや大原、LECといった大手予備校のものです。そのため、それぞれについて費用(価格)を比べてみたいと思います。

TACのテキスト・問題集・過去問を使った場合の費用
TACの場合 | 1冊あたりの金額 | 7科目合計金額 |
テキスト | 2,700円 | 18,900円 |
問題集 | 1,728円 | 12,096円 |
過去問 | 1,620円 | 11,340円 |
合計 | 6,048円 | 42,336円 |
TACのテキスト・問題集・過去問を7科目すべて購入した場合、合計で42,336円かかります。
大原のテキスト・問題集・過去問を使った場合の費用
大原の場合 | 1冊あたりの金額 | 7科目合計金額 |
テキスト | 市販なし | 市販なし |
問題集 | 市販なし | 市販なし |
過去問 | 1,620円 | 11,340円 |
合計 | 1,620円 | 11,340円 |
大原では、テキストと問題集は市販されていません。5年分を収録した過去問のみ販売されています。
LECのテキスト・問題集・過去問を使った場合の費用
LECの場合 | 1冊あたりの金額 | 7科目合計金額 |
テキスト | 2,160円 | 15,120円 |
問題集 | 2,160円 | 15,120円 |
過去問 | 1,080円 | 7,560円 |
合計 | 5,400円 | 37,800円 |
LECのテキスト・問題集・過去問を7科目すべて購入した場合、合計で37,800円かかります。
※ただし、TACや大原の過去問は5年分が掲載されているのに対し、LECの過去問は3年分です。
解答・解説の一貫性や過去問の量を考えた場合、独学で中小企業診断士を目指すにはTACのテキスト・問題集・過去問を揃えるべき。
そのため、独学で一次試験に合格するための費用は、42,336円です。
中小企業診断士を独学で目指した場合の費用(コスト)はどのくらい?【二次試験】
今までは一次試験のみを取り上げましたが、中小企業診断士試験には二次試験もあります。
しかし、二次試験では市販されているテキストは、ほんのわずかです。また、二次試験では解答が公表されないという特性上、予備校の模範解答は「参考程度」にしかなりません。
そこで、独学で二次試験を目指す方のテキストと言えば、定番の「ふぞろいシリーズ」があげられます。「ふぞろいシリーズ」の1冊あたりの価格は3,000円程度です。
二次試験を独学で目指す場合は、ふぞろいシリーズの合格者の再現答案を分析しつつ、二次試験の解き方のコツを理解する必要があります。
中小企業診断士を予備校・通信講座で目指した場合の費用(コスト)は?
では次に、予備校や通信講座を利用して中小企業診断士を目指す場合の費用を考察します。
中小企業診断士のメジャーな大手予備校としては、TAC、大原、LEC、クレアールがあります。また、メジャーな通信講座としては、通勤講座、診断士ゼミナール(レボ)、フォーサイト、資格スクエアがあります。
そのため、それらの予備校・通信講座について費用(コスト)を比較してみます。
中小企業診断士の大手予備校(通学・通信)を利用した場合の費用
まず、大手予備校(通学・通信)を利用した場合の費用を見てましょう。
TAC | 295,000円 |
大原 | 242,400円 |
LEC | 270,000円 |
クレアール | 200,000円 |
※1年合格コース(一次・二次一発ストレート合格コース)の一般金額を記載しています。受講月によっては割引が適用される場合があります。通学と通信による価格差は0円~2万円程度です。
中小企業診断士の通信講座(通信専門)を利用した場合の費用
では次に、通信講座(通信のみ展開)を利用した場合の費用を見てみます。
通勤講座 | 49,980円~ |
診断士ゼミナール(レボ) | 49,800円~ |
フォーサイト | 59,800円 |
資格スクエア | 126,000円 |
※1年合格コース(一次・二次一発ストレート合格コース)の金額を記載しています。
※フォーサイトは、二次対策コースがないため、一次試験合格コースの価格を記載しています。
独学と費用が変わらない通信講座もあります。

中小企業診断士を養成課程で目指した場合の費用(コスト)は?
中小企業診断士は、二次試験を受験しなくても取得できます。一次試験の受験と合格は必須なので注意しましょう。
二次試験をパス(免除)する方法として、中小企業大学校や大学等が実施する養成課程に通う方法があります。
かかる費用としては、180万円~350万円と幅が広いですが、平均して200万円ほど。
平日や休日、夜間など受講スタイルに制限があり、研修期間も半年から2年かかるものまで様々です。
中小企業診断士の受験料は?
中小企業診断士には、一次試験と二次試験があります。それぞれの受験料は以下のとおりです。
一次試験 | 13,000円 |
二次試験 | 17,200円 |
合計で30,200円かかります。
消費増税などによって、受験料が変わる可能性もあります。受験料もバカにならないので、できることなら一発で合格を目指したいですね。
中小企業診断士の試験合格者(独学・予備校・通信講座)は実務補習が必要!その費用は?
中小企業診断士の二次試験(筆記・口述)に合格しただけでは、中小企業診断士として登録することができません。
中小企業診断士として経済産業省に登録するためには、実務補習を15日間行うことが必要です。
実務補習には、5日間コースを3回に分けて異なる時期に行う方法と、15日間コースで一気に行ってしまう方法があります。
いずれも費用は15万円程度かかります。
【任意】中小企業診断士協会の入会費用は?
中小企業診断士として経済産業省に登録すると、各都道府県にある中小企業診断士協会に入会できます。
入会しなければ中小企業診断士として名乗れないということはないので、入会は自由です。中小企業診断士協会には勉強会や研究会などもありますので、人脈を広げるためにも入会しておいた方がベターです。
各都道府県の協会によりますが、入会費用は年間5万円程度です。
時間とコストを考え、中小企業診断士に最短合格する方法は?
中小企業診断士は難易度Aに位置する難関国家資格ですので、ほんの少しの勉強では合格できない試験です。
かといって、長い期間をかけてずっと勉強をし続けるのは相当な根気と体力が必要です。また、ときには家族の理解、職場の理解も必要になるでしょう。
そのため、最短合格を目指すことが得策と言えます。
1年~2年は中小企業診断士の勉強に集中して、テレビや飲み会などは避けるようにしましょう。
できるのなら、「定時帰宅マン」、「有休消化マン」、「お酒飲めないマン」を会社などで演じると良いでしょう。
会社や周囲に「診断士を目指していること」を伝えるのも理解を得るためには必要なことです。
時間とコストを考えた中小企業診断士の最短合格法はこちらからご覧いただけます。
中小企業診断士になるための費用まとめ
「中小企業診断士になるためにはどのくらい費用がかかるのか」について、紹介してきました。
これまで紹介してきた内容について、最安値(端数切り上げ)で比較した表は以下のとおり。
取得方法 | 勉強代 | 一次受験 | 二次受験 | 実務補習 | 合計費用 |
独学 | 5万円 | 1.3万円 | 1.7万円 | 15万円 | 23万円 |
大手 | 25万円 | 1.3万円 | 1.7万円 | 15万円 | 43万円 |
通信講座 | 5万円 | 1.3万円 | 1.7万円 | 15万円 | 23万円 |
養成課程 | 200万円 | 1.3万円 | × | × | 202万円 |
費用(コスト)を考えるなら、独学または通信講座を利用して、一次試験・二次試験を受験して合格する方法が最も安いです。
合格までに複数年かかると、費用も膨れ上がっていきますので最短合格を目指して頑張りましょう。
