中小企業診断士の二次試験、最後の関門に口述試験があります。
- 100%合格すると言われているけど、やっぱり不安・・・。
- 口述試験について対策の仕方がわからない・・・。
・・・こんな不安や悩み、ありますよね。
そのため、この記事では「中小企業診断士の口述試験対策」としてやるべき5つのことをご紹介します。
この対策をしておけば、安心して試験日当日を迎えられますし、合格発表日を心待ちにできるようになります。
中小企業診断士の最終合格はすぐ目の前ですので、最後のふんばりとしてしっかり対策をしておくことが要諦です。
目次
中小企業診断士の口述試験とは?
口述試験は、中小企業診断士二次試験の筆記試験の合格者に受験の資格を与えられる面接試験です。
受験の翌年度への持ち越しはできません。
口述試験の実施方法
中小企業の診断及び助言に関する能力について、筆記試験の事例などをもとに、個人ごとに面接の方法により行われます。
口述試験の実施会場・時間
会場、集合時間、面接時間については、筆記試験の合格者に口述試験案内で通知されます。1人当たりの面接時間は、約10分間です。
口述試験の合格率は?
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
H20 | 877 | 875 | 99.7% |
H21 | 955 | 951 | 99.5% |
H22 | 927 | 925 | 99.7% |
H23 | 794 | 790 | 99.4% |
H24 | 1,220 | 1,220 | 100% |
H25 | 915 | 910 | 99.4% |
H26 | 1,190 | 1,185 | 99.5% |
H27 | 944 | 944 | 100% |
H28 | 842 | 842 | 100% |
H29 | 830 | 828 | 99.7% |
H30 | 906 | 905 | 99.8% |
R1 | 1,091 | 1,088 | 99.7% |
※受験者は筆記試験の合格者で口述試験の受験資格を得た方の数
このように、合格率はほぼ100%です。
口述試験の身だしなみチェック!
口述試験は、スーツで行くようにしましょう。
就職活動で面接に行くときのような格好でOKだと思います。
「下駄で行ったらダメだった」という噂もありますので、一般常識として面接にふさわしい格好で行きましょう。
中小企業診断士の口述試験対策1:与件文・設問文を何度も読む
口述試験では主に事例をもとにした質問がありますので、事例の内容を理解しておく必要があります。
そのため、与件文や設問文を暗記するまで何度も読み返すことが必要です。
事例に出てくるA社、B社、C社、D社の経営者やコンサルになったつもりで、当該企業を細かく理解しましょう。
中小企業診断士の口述試験対策2:写経する
「暗記」という意味では、与件文と設問文を写経する方法も良いでしょう。
文字で書くことで、「なんとなく読んでいた与件文から見落としていた部分を発見できる」可能性があります。
写経をしておくことで、試験日当日の質問で、「あ!この内容は与件文のあの場所に書いてあったな」と思い出すことも可能になります。
中小企業診断士の口述試験対策3:各事例に出てきた一次試験知識の復習をする
事例ごとに出てきた一次試験知識を復習をします。
たとえば、「コーズリテーテッド・マーケティング」について問われた設問があれば、その知識の意味や実例を復習しておきます。
一般的な知識を答えさせる質問もあれば、事例企業にとってはどうかといった視点でアドバイスを求められる質問もあります。
「なぜ、A社は成果主義賃金制度を導入しているのか?」という質問に対しては、成果主義賃金制度の一般的なメリット・デメリット等を述べつつ、A社の組織上の特性を考慮して回答すべきです。
また、「なぜC社は納期に遅れが生じているのか?」という質問に対しては、納期が遅れる原因として生産計画や生産統制の面をピックアップしつつ、C社の場合はどこに問題点があるのかを回答すべきです。
中小企業診断士の口述試験対策4:各事例をフレームワークで考える
事例の特長は、
- 事例Ⅰ:組織・人事
- 事例Ⅱ:マーケティング・流通
- 事例Ⅲ:生産・技術
- 事例Ⅳ:財務・会計
です。
しかし、組織事例だからと言って「組織・人事」に関する質問ばかりとは限りません。
そのため、各事例を1つの企業として中小企業診断士の二次試験に絶対に必要な知識【全事例まとめ】でご説明しているフレームワークで考えることが必要です。
以下の項目は、押さえておくべき事項として整理しておきましょう。
- 事例のテーマ
- 業種
- 資本金
- 従業員数
- 経営理念
- 内部環境
- 外部環境
- 経営戦略(ドメイン)
- 「組織・人事」に関する情報
- 「マーケティング・流通」に関する情報
- 「生産・技術」に関する情報
- 「財務・会計」に関する情報

中小企業診断士の口述試験対策5:面接練習をする【コストゼロでOK】
口述試験は、すでに紹介しているとおり、99%~100%の確率で合格できます。
ということは、試験日当日に答えた内容だけの評価ではなく、「診断士としてふさわしい人材か」が大きな評価ポイントです。
そのため、身だしなみはもちろん、「しっかりと受け答えができること」が重要です。
TACのネット上で配布されている「想定問答集」などを使い、身近な人に面接の特訓をしてもらいましょう。
奥さんでも旦那さんでも、彼氏でも彼女でも良いです。面接官は答えを知っている必要はありません。
ただ無作為に質問をしてもらって、「しっかりと答えられるかどうか」を何度も練習してください。
口述試験は1問あたり、何分で答えればいいの?
はっきりとした答えはありませんが、面接時間が10分程度なので2分程度で答えれば5問で終了します。
ただ、そこまで時間を意識する必要はないと思います。1問ずつ、丁寧に答えるように意識しましょう。
緊張すると早口になる傾向があるので、口述練習のときからゆっくり解答するように心がけると良いと思います。
【私の場合】H24年度の中小企業診断士二次試験の口述試験で問われた内容
参考に、私が診断士に合格した平成24年度の口述試験で、問われた質問内容をご紹介しておきます。
- D社は、旧館改修の経済性を評価するにあたり、正味現在価値法を採用しましたが、計算が簡便だと言われる回収期間法を採用せず、正味現在価値法を採用した理由を説明してください。
- D社は、収益性を高めるために、変動費と固定費のどちらを削減することが望ましいか、その理由とともに説明してください。
- B社は、垂直的な提携を行いましたが、その垂直的提携とは一般的にどのようなものですか。
- B社は、コーズリレーテッドマーケティングを実施しましたが、そのコーズリレーテッドマーケティングの一般的な内容について説明してください。
- C社は、食品スーパーX社から加工部門を分離して設立されましたが、なぜ食品スーパーX社は加工部門を分離したと考えられるか。
口述試験日当日の私の生の声
試験日当日は余裕をもって1時間前に会場へ到着しました。
受付を終えると控室へ通されました。その控え室では班ごと(合計4班)に座るよう指示されました。
思っていたより控室は狭かったです。控室前方のホワイトボードに注意事項の張り紙があり、目安として1問2分程度で回答する旨の記載がありました。
時間になると、係員の方に班名と受験番号で呼ばれました。返事のある方とない方様々でしたが、一応「はい」と返事をしました。
その後、廊下で係員の方から、「ノックをして入ってください」、「荷物は入って左手に机があるので、そこへ置いてください」との注意事項がありました。
1班でしたので、控室から面接教室が近く、廊下での待合いはほとんどありませんでした。すぐにドアをノックして、面接会場に入りました。
面接会場へ入った途端、面接官から「荷物はそこへ置いてください」、「こちらへおかけください」とすぐに言われました。
少し驚きましたが、「ありがとうございます」、「失礼いたします」と言ってから、椅子の左手に向かい、一旦停止し、「よろしくお願いいたします」、「失礼いたします」と言い、椅子に腰かけました。
そして、面接官から「氏名と生年月日を和暦でお願いします」と言われました。その後質問に移りましたが、早口だったせいか、5問聞かれました。
面接官は2名でした。面接官と私の間は5本くらいの机で距離が保たれ、私の前にも机があったので、何となく落ち着きました。
二次口述試験対策のまとめ
口述試験はほぼ100%合格できる試験ですが、最後まで気を抜かず頑張りましょう。
すぐその先には診断士という夢が待っています。再度、事例企業と真剣に向き合いましょう。
記事の最後に、口述試験対策のポイントをまとめておきます。
- 与件文・設問文を何度も読む
- 写経する
- 各事例に出てきた一次試験知識を復習する
- 各事例をフレームワークで考える
- 面接練習をする【受け答えができるかどうかのみチェック】