こういった疑問にこたえます。
- 二次試験の設問の読み方
- 過去問を使って設問リーディングメソッドをマスターせよ!
コンサルKINGでは、合格するために戦略的に設問を読む方法を「設問リーディングメソッド」と呼んでいます。メソッドの名前はどうでも良いですが、どのように設問を読むべきかについて解説していますので、参考にしてください。
設問リーディングをマスターすれば、合格にグンと近づきます。二次試験に絶対に必要な解法テクなのでじっくり読んで、実践してみてください。
目次
二次試験の設問の読み方
中小企業診断士の二次試験は、与件文の文章量が多く、設問文を見ても、「どのように答えたらいいの?」という受験生も多いと思います。
しかし、答えは超簡単です。
問われたことに問われたように解答する。
たった、これだけです。
つまり、中学や高校で勉強した国語の試験と思ってもらえれば良いかと。「中学時代は国語が苦手で・・・」という方も大丈夫。過去問を通じて何回も練習すればできるようになります。実は、私も国語は大の苦手でした。国語の試験はいつも良い点数をとることができませんでした。
では早速、「問われたことに問われたように解答する」の真相を、過去問を使って具体的に見ていきたいと思います。
出題者の意図を把握するべし
・平成24年事例Ⅰ
第5問(配点20点)
A社は、日本国内で課長以上の社員を対象に成果主義賃金制度を導入しようと考えている。中小企業診断士として、制度の設計および導入にあたって、A社の場合、どのような点に留意すべきかを120字以内で助言せよ。
この設問で、出題者の意図はわかりますか??
出題者の意図とは、出題者が受験生に解答してほしい内容を指し、解答の主語として遵守する必要があります。
※ただ、主語は解答文字数が少ない場合は解答内容から省略することがあります。
つまり、この設問では「どのような点に留意すべきか助言せよ」と問われているので、この設問に対する解答の主語は「留意点」となります。
制約条件を見逃すと痛い目に合うぞ!【一次試験の知識も書き出そう】
解答の主語だけでは、「問われたことに問われたように」を満足することはできません。設問文が長いのは出題者からのヒントであり、様々な条件(ヒント=解答の方向性)を提示してくれています。
その真意は、解答に幅がでないように出題者が制約することで、解答が受験者によってバラバラになることを防いでいます。解答がバラバラだと採点がかなり面倒ですから。
では、この設問の制約条件を考えてみたいと思います。
第5問(配点20点)
A社は、日本国内で課長以上の社員を対象に成果主義賃金制度を導入しようと考えている。中小企業診断士として、制度の設計および導入にあたって、A社の場合、どのような点に留意すべきかを120字以内で助言せよ。
制約条件1
日本国内で課長以上の社員を対象
与件文を読まなくてもこの文節を読んだだけで、海外もあるのか?と推測もできます。この設問では日本国内に絞られています。また、課長以上という条件もあります。
制約条件2
成果主義賃金制度を導入
出ました!一次試験知識。成果主義賃金制度のメリット、デメリットを思い出しましょう。思いついた言葉(=一次試験知識)を設問文の近くに書き留めておくことが大事です。
制約条件3
中小企業診断士として
設問文の中には、ときどき「中小企業診断士として」という制約条件が加わる場合もあります。この意味は様々な考え方がありますが、私が意識したことは、「中小企業診断士とはどのような専門家であるか」ということ。
私も中小企業診断士であり、中小企業診断士の仲間も数多くいますが、どんな診断士であっても企業をコンサルする際、「環境分析(現状分析)を意識する」、「多面的に物事を考える」の2点が共通項としてあります。この設問でも環境分析を意識して答えられるとベターだと思います。
制約条件4
制度の設計および導入にあたって
成果主義賃金制度について、設計面と導入面の2つの面について解答する必要があります。多面的に企業をコンサルできるのが中小企業診断士です。「中小企業診断士として」と設問文にも書いてあるので絶対に守るべき制約条件です。
制約条件5
A社の場合
知識さえ覚えておけば、成果主義賃金制度について解答できると思いますが、それでは一般論になってしまいます。「A社の場合」と書いてあるので、与件文から何かしらヒントを拾ってくる必要があります。
制約条件6
120字以内
字数制限です。字数も非常に大事です。主語、述語で書くのか、文節っぽい感じで解答するのか、様々な切り口を用いて記述するのか、字数によっていろいろ考えられます。
120字であれば、主語・述語を用いた文章で2つ~3つくらいの切り口を使って解答することが考えられます。
制約条件から想像できる切り口として、思いつくものを備忘記録としてどんどん書き出していくことが重要です。切り口の考え方はこちらで紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

解答フレームをスーパーラフに作成せよ!
解答の主語と制約条件がわかれば、解答フレームを作成することができます。解答フレームは当該設問文の下の余白に書くようにしましょう。ただ、ここで書く解答フレームは、超ラフな解答フレームにしましょう。
制約条件を意識したり、切り口で記述方法を分けたりする必要はここではありません。あくまでも与件文を読んでからで良いです。
ズバリ、ラフの解答フレームは、
留意点は、
1.・・・
2.・・・
である。
になります。
「・・・」の部分は、与件文を読んだ後、与件文からA社の特徴を理解し、制約条件を守りながら中小企業診断士としての助言を記述します。
解答の主語と文字数がわかれば、超ラフの解答フレームはできますね。
事例テーマを考えろ(仮説)!【二次試験ではすごい大事】
今まで説明した工程をすべての設問で終えたら、設問文全体を俯瞰します。
俯瞰とは、虫の目ではなく、鳥の目で設問文全体を眺めることです。そして、出題者は事例企業をどのような方向性にもっていきたいのかを考え、仮説の事例テーマを考えることが大事です。
合格するためには、一貫性のある解答を書く必要があります。
一貫性のある解答を書くためには、事例テーマは大変重要です。ただ、ここではあくまでも仮説の事例テーマなので考えすぎてはダメです。時間があっという間に経過してしまいます。「事例テーマはこれかな」と思ったら、問題用紙の上の余白に書き留めておきましょう。
二次試験の解法【設問リーディング】のまとめ
設問リーディングメソッドをまとめます。
解答の主語=出題者の意図の判別。
設問1問ごとに、制約条件のマーク及び一次試験知識の書き出し
ラフすぎる解答フレームの記述。
事例テーマの仮説。
二次試験の過去問を使って、何度も練習してみてください。設問リーディングをマスターすれば、合格にグンと近づきます。
設問リーディングメソッドが終わったら、次は与件リーディングメソッドです。
