中小企業診断士の二次試験では、4つの事例があります。どの事例においても、基本中の基本である考え方があります。事例を解くうえで、受験生の皆様は、まずこの基本的な考え方を押さえておいてください。
この基本的な考え方を押さえておくことで、合格への道がグンと近づきます。
目次
企業が中小企業診断士にコンサルを依頼する理由
企業が中小企業診断士のような経営コンサルタントにコンサルを依頼する理由は何でしょうか。
理由は、100社あれば100通りあるかもしれませんが、その多くは「現状よりも会社をより良くしたいため」です。つまり、現状よりも業績向上を目指すためにコンサルに依頼することだと考えます。
中小企業診断士の試験も同様です。
事例企業は、受験生である中小企業診断士に、あらゆる側面から企業を改善することで、業績を向上させてほしいと願っています。
そのため、4事例ともに解決の大きな方向性は同じと言えます。その考え方を今から説明します。
企業の現状とあるべき姿【中小企業診断士と言えばコレです】
よく、企業のコンサルは「ドメインの再定義」と言われます。
中小企業診断士によるコンサルのメインは、ドメインの再定義と言っても過言ではないでしょう。経営理論の根幹部分です。
企業をコンサルする、つまり、ドメインを再定義するためには企業の現状を知らなければなりません。
現状を知ったうえで、当該企業の目標を設定します。そして、その目標にあった戦略やドメインを定義し、機能別戦略や現場改善を通じて、あるべき姿やありたい姿に向かって突き進めるようコンサルします。
これがコンサルの定石であり、中小企業診断士の二次試験を解く基本中の基本の考え方です。
以下は、企業の現状とあるべき姿を図示化したものです。

中小企業診断士の二次試験の事例企業や実際の企業をコンサルすると、きっと、現状とあるべき姿にギャップが存在するはずです。そのギャップを埋めるために企業を導くのが中小企業診断士の役目の一つです。

中小企業診断士の二次試験には超重要!「問題点と課題の違い」
企業の現状とあるべき姿のギャップが問題点であり、その問題点を解決するための方向性が課題です。
国語的に辞書を見ても、問題点と課題の違いは明確ではないかもしれません。しかし、経営においては、問題点と課題をわけて考えることが大事です。
問題点とは、中小企業診断士二次試験の与件文を見ると、「・・・ができていない」などと記述されており、消極的なイメージです。
一方、課題とは、その問題点をできるようにするための方向性を示すことで、企業がやるべきことを自らに課すことであり積極的なイメージです。
例えば、中小企業診断士二次試験の与件文で、「・・・取引先の納期に間に合わず、受注を逃すケースがある」という記載があったとすると、「生産工程の短納期化を図る」という方向性が課題です。
さらに、もっと簡便化して説明をするなら、顧客が減少している企業の現状に対し、「営業ができていない」が問題点で、「営業を強化する」が課題です。
中小企業診断士二次試験の設問文において、「課題を答えよ」という問いがあれば、「・・・できていない点」、「・・・を行っていない点」といった問題点を解答するのではなく、「・・・を強化する」、「・・・向上を図る」といった積極的なイメージで課題を解答するべきです。
その課題に対し、具体的にどのように解決していくか(取り組んでいくか)、を考えることが必要です。
中小企業診断士試験における共通の認識=企業の目標とは?
企業の目標は、ズバリ、業績向上です。
・業績向上=存続・成長
企業、とくに株式会社は、ゴーイングコンサーンであり、持続可能な企業をつくること、企業を成長させることが目標の一つです。この前提条件を、経営理念と同様、最上位概念として押さえておいてください。
まとめ:中小企業診断士の二次試験の基本を押さえよう!
ただ、闇雲に二次試験を解いても合格することは難しいです。
二次試験に必要なスキルや知識を身につけたうえで、過去問を繰り返し解くことが重要です。
